犬の自制心と主体性は両立する?|指示に応じる力と、自分で判断する力

飼い主の合図に注目するジャックラッセルテリアのラム。犬の自制心と主体性について考える。

「リベ!」

英語の「Leave it(リーブイット)」を短くした合図。「それには構わないで」という意味で使っています。

散歩中、遠くに犬を見つけたラムが立ち止まる。

じっと相手を見つめ、近づこうとする。

そんなとき、私が声をかけると、チラッとこちらを見ることがあります。

そして、そのまま通り過ぎられることも。

もちろん、毎回うまくいくわけではありません。

まだまだ練習中です。

でも、そんなラムの姿を見ながら、最近考えることがあります。

人の指示に従うことと、犬が自分で考えて行動すること。

このふたつは、矛盾するのでしょうか。

目次

「待てること」と「自分で選ぶこと」

犬のトレーニングでは、「待て」「おいで」「あとへ」など、人の合図に応じることを教えます。

ラムもオビディエンストレーニングを続けています。

人の合図を理解し、それに応じて行動する。

それは、人と暮らす犬にとって大切な力のひとつだと思います。

でも、私が育てたいのは、ただ指示を待つ犬ではありません。

自分で考え、行動を選べる犬。

必要なときには人の合図に応じ、自分で選べる場面では自分で選ぶ。

自制心と主体性は、対立するものではない。

今は、そう考えています。

「近づきたい」を切り替える練習

ラムは犬や猫、鳥を見つけると、かなり遠くからロックオンします。

気になる。

近づきたい。

そんな気持ちが、行動によく表れます。

以前は、そのまま相手に向かおうとすることが多かったラム。

今は「リベ!」という合図で、こちらに意識を戻せる場面が増えてきました。

近づきたい気持ちがなくなったわけではありません。

それでも、別の行動に切り替えられることがある。

私は、そこに自制心の成長を感じています。

ただ、合図に応じて振り向くことと、自分の判断で通り過ぎることは同じではありません。

だからこそ、これからは人の合図がなくても、落ち着いてすれ違えるようになってほしい。

それが、今のラムと私の課題です。

教えることは、選択肢を増やすこと

犬に何かを教えるというと、人の指示に従わせることを思い浮かべるかもしれません。

でも、私は少し違う捉え方をしています。

例えば、散歩中にほかの犬を見つけたとき。

近づくことしか知らなければ、行動は限られます。

でも、立ち止まることも、飼い主に意識を戻すことも、距離を取って通り過ぎることもできたら。

犬が取れる行動は増えていきます。

トレーニングは、犬の行動を制限するためだけのものではなく、選択肢を広げるためのもの。

そう考えると、人が教えることと、主体性を尊重することは、決して矛盾しないはずです。

だからこそ、日常生活の中でも、ラム自身が落ち着いて行動を選べる機会を大切にしたいと思っています。

犬だけでなく、人も学んでいる

実は、散歩中にほかの犬を見つけると、私自身も緊張することがあります。

ラムには落ち着いてほしいのに、私の方が落ち着いていない。

なんとも矛盾した話です(笑)。

ラムに気持ちを切り替えることを教えながら、私自身も平常心でいる練習をしているのかもしれません。

オビディエンスを始めてから、ラムの変化を感じると同時に、私自身も犬との関わり方を深く考えるようになりました。

犬を思い通りに動かすためではなく、犬が自分の力で判断できる場面を増やすために。

ラムと私のトレーニングは、まだまだ続きます。



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