衝動のままだったラムと向き合った日々
「自制心」。
パピー期の頃、YouTubeでこの言葉を知ったのが始まりでした。
当時のラムは、とにかく反応が速い。
オヤツを出せば飛びつく。
扉を開ければダッシュ。
犬を見つければ一直線。
「食べたい!」
「行きたい!」
「気になる!」
そう思ったら、そのまま体が動いているような状態でした。
しかも、動きはなかなか激しい🤣
これは、ラムがこれから人間社会の中で暮らしていくうえで、少しずつ身につけていった方がいい力なのかもしれない。
そう思い、色々と調べながら、自制心を育てるトレーニングを始めました。
「よし」で食べる
最初に取り入れたのは、ごはんの時間です。
フードの入った器を用意する。
飛びついたら、まだ置かない。
落ち着いてお座りしたら、器を置く。
そして、
「よし!」
で食べてOK。
毎日のごはんそのものを、練習の時間にしていきました。
手のひらのオヤツ
次は、もっと目の前に誘惑がある状態です。
お座りをしてもらい、手のひらにオヤツを乗せて見せます。
食べようとしたら、手を引く。
また出す。
勝手に取らずに待てたら、
「よし!」
で食べてOK。
最初は、
「そこにあるのに、なぜ食べてはいけないんですか🐕️?」
だったと思います🤣
エレベーターゲーム
さらに、手のひらに乗せたオヤツを鼻の前に出します。
食べようとしたら引く。
また出す。
慣れてきたら、手をゆっくり上下や左右に動かします。
目の前で大好きなものが動いていても、すぐには飛びつかない。
そして、
「よし!」
の合図で食べる。
今振り返ると、ここで練習していたのは単なる「待て」ではなかったのかもしれません。
欲しいものが目の前にあっても、すぐに行動に移さない。
一度止まる。
こちらを見る。
そして、次にどうすればいいのかを考える。
そんな小さな「間」を作る練習だったように思います。
扉が開いても飛び出さない
そして、特に大切にしてきたのが扉のトレーニングです。
クレートやケージに入っているラムの前で、扉を開けます。
飛び出そうとしたら、閉める。
また開ける。
待つ。
そして、
「よし!」
で出てOK。
同じことを、玄関や部屋の扉でも練習しました。
扉の向こうには、犬にとって魅力的なものがたくさんあります。
外へ行きたい。
早く出たい。
気になるものを見に行きたい。
でも、扉が開いたからといって飛び出していいわけではありません。
これは自制心だけでなく、ラムの安全を守るためにも、とても大切なことだと思っています。
今では玄関を開けても、「来い」と言うまで待つことができます。
ケージやクレートでも同じです。
扉が開くことと、出ていいことは別。
少しずつ、それを理解していきました。
🎥 パピー期にやっていた自制心トレーニング
当時Instagramに投稿していた動画が残っていました。
ごはん、オヤツ、扉。
今見ると、とても基本的なことばかりです。
でも、ラムの自制心は、こんな小さな練習から始まりました。
オビディエンストレーニングで重なっていったもの
2歳からは、オビディエンストレーニングも始めました。
そこで練習してきたのは、決められた動作だけではありませんでした。
動きたい時にも待つ。
周りに刺激があっても、こちらに意識を戻す。
合図を聞いてから動く。
犬や人がいる環境でも、飼い主と一緒に課題に取り組む。
パピー期から日常の中で積み重ねてきたものに、オビディエンスでの経験も少しずつ重なっていきました。
気がつけば、ラムは「待て✋️」がずいぶん得意になっていました。
気になるものがあっても、そのまま通り過ぎる。
道に食べ物が落ちていても、スルーする。
パピー期のラムから考えると、ずいぶん変わったと思います。
🌿 パピー期からオビディエンスCD-1合格までの変化は、こちらの記事にまとめています。
→ 「うなぎ犬」だったあの頃から、オビディエンスCD-1合格まで
遊びの中にも「自制心」があった
そして現在。
自制心を育てるためだけの特別なトレーニングをすることは、以前より少なくなりました。
でも考えてみると、普段の遊びの中にも「待つ」はたくさんあります。
たとえば、ボール遊び。
ボールを投げる。
でも、ラムはすぐには取りに行きません。
待つ。
「テイク!」
その合図で走り出します。
ボールを取る。
持ってくる。
そして、離す。
🎥 現在のラム|ボールを追いたくても、まず待つ
ボールを追いかけたい気持ちがなくなったわけではありません。
むしろ、ボールは大好きです。
だからこそ、
「やりたい!」と思っていても、一度待てる。
ここに、パピー期から少しずつ育ててきたものが表れているように感じます。
自制心とは、「やりたい」という気持ちそのものをなくすことではないのかもしれません。
その気持ちがあっても、一度立ち止まり、自分の行動を調整する。
そんな力なのだと思います。
社会の中では、もっと難しい
もちろん、何でもできるようになったわけではありません。
食べ物。
犬。
人。
場所。
その時の興奮度。
刺激の強さが変われば、難易度も変わります。
特にラムの場合、他の人からオヤツをもらえる場面は今でも難しいことがあります🤣
相手によって、ちゃんと座ったり。
飛んだり。
……よく見ています😂
そして現在は、散歩中に犬と出会った時にも、すぐに近づくのではなく、そのまま通り過ぎる練習をしています。
犬がいる。
気になる。
でも、必ず関わらなければいけないわけではない。
犬が存在する世界の中で、そのまま歩いていくこともできる。
今取り組んでいるのは、パピー期にオヤツを目の前にして始めた「待つ」より、ずっと難しい課題なのかもしれません。
でも根っこにあるものは、同じような気がしています。
刺激がある。
すぐに反応するのではなく、一度止まる。
そして、どう行動するかを選ぶ。
その力を、ラムは少しずつ身につけてきました。
自制心は、押さえつけるものではなく育てていくもの
パピー期の私は、
「自制心をつけなければ!」
と思って、一生懸命トレーニングしていました。
でも今振り返ると、自制心は犬の行動を押さえつけることとは少し違うように思います。
何でも我慢させることでも、禁止することでもありません。
「今はどうすればいい?」
そう考えられる経験を、日常の中に少しずつ作っていくこと。
ごはんを食べる前。
扉を出る時。
散歩中。
オビディエンス。
そして、大好きなボール遊び。
特別な時間だけではなく、毎日の暮らしそのものが練習になっていました。
社会化というと、たくさんの犬や人に会ったり、色々な場所へ連れて行ったりすることを思い浮かべるかもしれません。
でも、たくさんの刺激がある人間社会の中で、
「どう行動するかを自分で調整する力を育てること」
これもまた、ラムにとって大切な社会化のひとつだったのだと思います。
あの頃、オヤツを見た瞬間に飛びついていたラムは今日も、
「アタチ、待てますけど✋️」
と、得意げにお座りしています🤭
🐾合わせて読みたい
🌿ラムと続けてきた「待つ」練習。
その土台にあるインパルスコントロールについて、もう少し詳しくまとめています。
🌿パピー期には、気になるものへ一直線だったラム。
自制心が育った先で、「近づかない」を自分で選ぶようになった日のお話です🤭
🌿できることを、ひとつずつ。
怖いものにも、刺激の多い社会にも、ラムなりのペースで向き合ってきた社会化の記録をまとめています。




