ラムは、トレーニングで失敗すると、
「あっ」
という顔をすることがあります。
そして、もう一回やってみる。
まるで、
「今の違った?」
と言っているみたいです。
そんなラムが、ある日を境に、大好きだったことをやらなくなってしまったことがあります。
原因は、私でした。
犬が「もうやりたくない」と思ってしまうこと。
それでも、もう一度「やってみよう」と思えること。
ラムとのトレーニングを通して、私が学んだことがあります。
失敗しても、もう一回やってみる
犬は言葉を話しません。
でも、人の反応はとてもよく見ています。
できたとき、褒められる。
うまくいかなかったときも、もう一回やってみたら褒められる。
そういう経験を重ねると、犬の中には、
「やり直せばいい」
という感覚が育っていくのかもしれません。
逆に、失敗したときに怒られたり、怖い思いをしたりすると、
「もうやらない」
と判断することも。
これは、私の失敗体験です。
大好きだったハードルを跳ばなくなった日
オビディエンスの試験が近かった頃。
ラムは、ハードルが大好きでした。
いつも、キラキラの目で自信満々に跳んでいました。
でも、どうしても跳んだ後の位置がずれてしまう。
何度やっても直りません。
私はつい、少し強い口調で、
「違う!!」
と言ってしまいました。
その日からラムは、しばらくハードルを跳ばなくなってしまいました。
「ジャンプ」
と言っても、固まって動きません。
私は、ラムが確実にできる少し簡単な動きに戻しました。
そして、できたときに思い切り褒める。
それを繰り返していたら、また少しずつ、
「アタチこれできるやつ!!」
という、いつものキラキラした目が戻ってきました。
スケボーで、もう一度失敗した
もう一つ、忘れられないことがあります。
スケボーです。
ラムは、1年かけてスケボーを蹴って滑れるようになりました。
怖がらずに、どんどん挑戦するようになったので、私は少し欲を出してしまいました。
玄関の、10センチくらいの段差で練習したのです。
その瞬間。
「ガタン!!」
大きな音がしました。
ラムは飛び降りて、逃げました。
相当怖かったのだと思います。
その日からラムは、しばらくスケボーに乗らなくなってしまいました。
「楽しかった記憶」が、次の挑戦につながる
ある日、お世話になっているトレーナーさんが、こんなことを言っていました。
「楽しかった記憶があると、犬はまた挑戦するんですよ」
なるほど、と思いました。
「できなかった記憶」ではなく、
「楽しかった記憶」
で終わる。
すると犬の中で、その経験が、
“嫌なもの”
ではなく、
「またやってみたいもの」
として残るのかもしれません。
一度、「やめとく」と判断したことも、
無理やりやらされなかったことで、再び挑戦できる余地が残るのかもしれません。
そして、気持ちや体の準備が整ったとき。
犬は突然、
「あ、今ならイケる」
みたいな顔で、あっさり成功してしまうことがあります。
「できない時間」も、大切にしたい
だから私は最近、
「できない」
という時間も、すごく大事なんじゃないかと思っています。
うまくいかない日もある。
怖くなってしまう日もある。
そんなとき、無理に先へ進まなくてもいい。
一度、簡単なことに戻ってみる。
できることを一緒に楽しんでみる。
ラムがもう一度、キラキラした目で挑戦する姿を見るたびに思います。
犬は、失敗しないから挑戦できるのではなく、
“やり直せる”
と思えるから、また挑戦できるのかもしれません。
できることを増やすだけが、トレーニングではない。
「またやりたい!」
そんな気持ちを大切にしていきたいと思っています。
Little Steps。
小さな一歩。
🐾合わせて読みたい
🌿 小さな「できた」の積み重ねは、犬の自信をどう育てていくのでしょうか。ラムの挑戦を通して考えたお話です。
🌿1回30秒の積み重ね。集中力ほぼ「0」から始まったラムとのトレーニングについてのお話です。
🌿昨日までできなかったことが、ある日突然できるようになるのはなぜ? ラムの寝姿から、睡眠と学習の関係について考えたお話です。
🌿犬と遊ぶということシリーズはこちらにまとめています。





