「ちょっと今忙しいです」|ジャックラッセルテリアという犬

散歩中にくん活をしながら、自分のペースで動くジャックラッセルテリアのラム

ドッグトレーニングの世界では、
「呼んだら一発で戻ってくる」ことを
とても大切に考える場面があります。

以前、ジャーマンシェパードとボーダーコリーを飼っている方に、こんなふうに言われたことがありました。

「一発で戻って来ないなら、まだ信頼関係ができてないんだよ」

その言葉を聞いたとき、
私は少しショックを受けました。

ラムは、呼び戻しが全くできないわけではありません。

でも、くん活に夢中になっている時などは、 呼んでもすぐには戻って来ないことがあります。

「ラムは私を信頼していないのかな」

そんなふうに考えてしまったこともありました。

でも、ある日。
先代犬にジャーマンシェパードを飼い、今はジャックラッセルテリアと暮らしているトレーナーさんのnoteを読みました。

そこには、こんなことが書かれていました。

ジャーマンシェパードは、呼んだら一発で戻ってきていた。

でもジャックラッセルテリアは、

ちょっと今忙しいです

という顔をして、 自分の仕事が終わったら戻ってくる、と。

読んだ瞬間、 思わず笑ってしまいました。

そして同時に、 「あぁ、ラムそのものだ」 と、妙に納得したのです。

ジャーマンシェパードやボーダーコリーは、 人と一緒に働くことが得意な犬種です。

人の指示を聞き、 次の指示を待ち、 一緒に仕事をする。

それが彼らの喜びでもあります。

だから、 「おいで」 という声は、 “次の仕事”として、自然に入ってくるのだと思います。

一方で、 ジャックラッセルテリアは、 もともと自分で判断しながら獲物を追う犬でした。

穴の中に飛び込み、 相手と向き合い、 現場で考えて動く。

つまり、 「自分で決める」 ことが仕事だった犬です。

だからラムも、 くん活中に呼ばれると、

「聞こえてます✋️
でも今ちょっと確認中なんです」

みたいな顔をしている時があります。

でも、不思議と “完全に無視されている感じ” ではないのです。

耳だけこちらを向いていたり。

一瞬こちらを確認したり。

「あとでちゃんと行きますから」 みたいな空気がある。

そして、 自分の中で納得すると、 ちゃんと戻ってきます。

もちろん、 命に関わる場面では、 呼び戻しはとても大切です。

だからこそ、 日々練習もしています。

でも、 「一発で戻らない=信頼していない」 と決めつけるのは、 少し違うのかもしれない。

そんなふうに思うようになりました。

犬種によって、 “信頼”の形は違う。

「あなたの指示に従うことが幸せ」 という信頼もあれば、

「あなたのことは大好きです。でも今ちょっと仕事中です」 という、 少し職人気質な信頼もある。

ラムと暮らしていると、 そんなことを感じます。

そして私は、 この“ちょっとマイペースな感じ”も、 ジャックラッセルテリアらしくて好きなのです。

体高30センチの先生は

「今ちょっと仕事中なんですけど✋️」

と、チラ見しながら
くん活を続けています。

🌿シリーズ一覧はこちら

🌿”やらせる”より、”自分で選ぶ”ことで変わっていった話

🌿大型犬が怖かったラムが、ある日突然”追う側”になった日の話。

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